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TREKKING −トレッキング トレッキングスケジュールレポート山情報
トレッキングレポート
プライベート編  礼文のお花見トレック 後編

  前編はこちらから

  今回のレポートは前回の会報に引き続き、6月に行って来た礼文のお花見トレックの後編です。

  礼文2日目のこの日は、いよいよお待ちかねの『レブンアツモリソウ』を訪ねて島の北部の4時間コース+α。スタート地点は礼文最北の「スコトン(須古屯)岬」、ここから西海岸を海岸線に沿う形で南下し、西上泊から丘越えして浜中へ下り、車道沿いの歩道を船泊まで歩きます。
   
2006/6/12    
   起床しカーテンを開けると海霧が発生しているようで、海の向こうに見える利尻岳も裾野が霧のベールに覆われています。でもまあ、朝霧は好天の予兆と信じて、朝食を済ませ予約しておいたタクシーで宿を出発。

  前回のレポートでも書いたとおり礼文には路線バスが走っているのですが、トレッキングするのに都合のよい時間帯のバス便は少なく、時間を有効的に使いたければタクシーやレンタカーを使うことになります。
  時折運ちゃんの肩越しにチャリンチャリンと音が聞こえてきそうな料金メーターを覗き込みながら、香深から走ること1時間弱、7,500円也でスコトン岬の広い駐車場に到着。

  歩き始める前に岬の突端にある展望所へ下り、晴れていれば見えることもあるという「樺太サハリン」を探してみたり、沖に浮かぶ「トド島」の展望を楽しんだりして、いざ出発!

ネムロシオガマ  まずは、今来た車道を暫く戻り、須古屯集落を抜けて尾根上を走る江戸屋山道に入ります。山道といってもきちんとした車道ですが・・・この道に入ると道路脇の草むらの中に、ポツポツと花が出てき始めます。時折走る車に注意しながら花を探して車道を進むと、こちらの田舎道でタンポポが咲くような風に「ハクサンチドリ」や「ネムロシオガマ」、「チシマフウロ」等々があちこちで見られます。

  そんな感じでなかなか前に進みませんが、トド島展望台を過ぎて三叉路に出合うとここから自然散策路に入ります。左手はなだらかな丘陵地、右手は海に落ち込む断崖絶壁、そんなチシマザサが茂る登山道をゴロタ山に向かって登って行きます。
 海側に目をやると、断崖を紅く染める「レブンコザクラ」が見られ、小さな沢沿いには「エゾノリュウキンカ」の黄色が色を添えてくれています。30分ほどでゴロタ山に登り付くと目の前に海蝕崖の絶景が広がり、足元の少し赤みを帯びた岩場には、さまざまな植物がへばりつくように群落を作っています。

  ここで暫く休憩して、今度は眼下のゴロタ浜に向かって下り始めると、ようやく咲き始めたばかりの「エゾカンゾウ」
を見つけました。今年の礼文はなかなか暖かくならず、カンゾウの開花も約1週間ほど遅れているそうで、つぼみはあちこちに目に付くもののなんとかようやくといった感じで咲いた花に出会えました。その後長い下りの最後の階段を慎重に下り、名前の由来通り頭大の石だらけのゴロタ浜に出て小休止。

  何気なく海を見ていると、海岸から70〜80mほど沖合いを浮いたり沈んだりしながらゆっくりと移動する物体が!どう
やらトドのようです。しばらく行ったり来たりしていましたが、見えなくなったのでこちらも出発です。ここからは海岸に沿って車も走れそうな未舗装の広い道になり、次の「鉄府(てっぷ)」集落まではアップダウンのない平坦路を進みます。

レブンアツモリソウ  石浜のあちこちでは「ヒロハクサフジ」が咲き、山手側では「ネムロシオガマ」や「センダイハギ」が咲き始めており、見つける度に足が止まってしまってずいぶんコースタイムをオーバーしてしまいますが仕方ありません。そんな調子でキョロキョロと落ち着きなく歩いていると、思わぬところで『レブンアツモリソウ』を発見!!

  保護地にしかないと思っていただけに感激です。想像していたよりずいぶんこじんまりした印象ですが、淡いクリーム色のボッテリとした唇弁が特徴的な礼文を代表する固有種で、この花見たさに毎年多くの人がこの島を訪れます。近年では多くの株が盗掘の憂き目に遭い数が激減し、今では監視員の常駐する保護地でしか目にすることができなくなっている、と言われています。

  ここは鉄条網で囲われたわずか10m四方のスペースですが、その中で10数株が可憐な花を咲かせており、通常のルート観光のコースから外れているため個人観光客だけが楽しめる穴場のようです。

  今回そんな花をこんな海岸端の草むらで見つけて、正直驚きました。ひとしきり「レブンアツモリソウ」を観察し終えると、閑散とした漁村を抜けようやく本日のコース中間点鉄府(てっぷ)漁港に到着。ここから直接アツモリソウ群生地を経て浜中へとも出られるのですが、今回はもう一山越えてちょっと回り道。トイレを済ませて漁港を奥へと回りこみ、車道の終点から再び自然歩道へと入ります。

  ここからまたまた花のプロムナードが始まります。オダマキやイワベンケイがあちこちで群落を作り見事なお花畑を作り、たくさんの花々に彩られた道を稲穂ノ岬を越える高台に登りきると、眼下には西上泊の集落が見え始め、、道は集落へ向かって一気に下り始めます。

  この西上泊の奥には、海蝕崖と透明度の高い入り江の景観が素晴らしい「澄海(すかい)岬」があり、こちらの売店で昼食としました。売店のメニュー表には「ウニ丼」や「海鮮丼」などの魅惑の品々が並んでいますが、ここは慎ましく「かけうどん」で辛抱々々。あったかい食事を終えて一息ついたら、ここから先は車道を歩き「アツモリソウ群生地」へと向かいます。

サクラソウモドキ  西上泊を出てしばらく歩き鉄府からの道が合流すると、やがて緩やかに下り始め群生地の看板が見え始めます。のんびりと歩いていると、群生地少し手前の道路脇の造成地奥の林床に「サクラソウモドキ」を見つけました。モドキと呼ぶには申し訳ないくらい可憐で可愛らしい姿にしばし見とれてしまいましたが、群生地はもう目と花の先です。

  観光バスの団体さんが出発するのを見計らって観察路へと進みます。この保護地の一角にはプレハブ小屋が建ち開花時期の前後約1ヶ月ほどは24時間の監視体制が敷かれています。花にとっては迷惑な話かもしれませんが、心無い盗掘者から貴重な花を守るためにはやむを得ないのかもしれません。

  太い木組みの柵に沿って山手の斜面につけられた一周約100mほどの観察路の周りには数多くの「レブンアツモリソウ」が咲き競っています。その他、「カラフトアツモリソウ」や「ヒメイズイ」、「クゲヌマラン」なども見られます。

  ゆっくりたっぷり時間をかけてお目当ての花を堪能したら、後は船泊のバス停まで1時間ちょっとの車道歩きです。相変わらず道の脇の草むらでは「ハクサンチドリ」が見られますが、この頃になるとありがたみも薄れてしまいもはや素通り状態、ハクサンチドリよゴメンナサイ。

  浜中を経て船泊に着き、バスを待つ間に久種(くしゅ)湖畔を散策して時間を潰し、待ちくたびれた頃にやっと到着したバスに乗り込み、心地よい揺れ具合にうとうとしながら気がつけば香深に到着。あたりも次第に夕闇が広がり始め、夜の帳が降りるに合わせて夢のような花の浮島『礼文島』トレッキングは幕を下ろしました。


<完>
   
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