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トレッキングレポート
ニュージーランド・ハイキング・スペシャル 9日間 第1弾レポート

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  2005年3月13日〜3月21日
   今回は春まだ浅い日本を抜け出して、PAL TREK初の海外トレッキングツアーとなる「トレッキング天国」ニュージーランドトレッキングへと行ってまいりました。ご存じの方も多いと思いますが、ニュージーランドは「地球の箱庭」とも言われ、豊かで多様な自然が残され、観光のみならず夏はトレッキングやウォータースポーツ、冬はスキーやスノボ等アウトドアアクティビティーが充実しており、海外から多くの人々が訪れる「アウトドア天国」です。今回は3月中旬。秋風の吹き始めたニュージーランドで、マウントクック山麓,クイーンズタウン,ルートバーントラック,ミルフォードトラック,ミルフォードサウンドと南島の人気のトレッキングコースをはしごする欲張りコースで、氷河から深い樹林帯までNZの自然の奥深さを満喫する9日間となりました。 
   
3月13日
   am.10:00松山空港に集合。
 いよいよ待ちに待った出発日、松山からは関空集合の1名を除く11名+お供の八木の12名での出発です。この日は寒の戻りで冷え込みが厳しく、冬のような寒さ。小雪もちらつく天候で、ダウンを着込んでの出発となりました。

 松山からはam.11:10発のANA444便で一旦伊丹空港へ移動し、リムジンバスで関空へと入ります。お見送りの方々とお別れして、スーツケースを預けて松山を飛び立ち、まずは伊丹空港へ。

 伊丹でスーツケースを受け取り外に出ると、外気温は2℃、バス待ちの時間、寒さが身に染みます。今回は時間の関係で行きは国内伊丹−関空乗り継ぎとなりましたが、やっぱり松山−関空便がもっとあれば便利なんですが・・・。そうこうしているうちにリムジンバスが到着。伊丹空港を出発して途中渋滞もあったりで1時間半程で関空に到着。

 ひとまず解散してお昼を取り再び集合。東京からご参加頂いた1名様を加え総勢13名となり、ここで今回のツアーの手配をお願いしたアルパインツアーサービスの担当者と合流して簡単な説明の後、通関していよいよ出国。舞っていた小雪もおさまり、出国ゲートの待合所ではまぶしい西日を受けながらNZの入国・検疫カードの記入にケンケン・ガクガク。NZは日本と同じく島国でかつ農畜産物が主力産業ということもあり、外からの病原菌や害虫の侵入に対して厳しい検疫体制をしいており、トレッキング目的で入国する場合だと、トレッキングシューズやストックに着いた土や砂などもきちんと洗い落としておかないと、場合によっては罰金を科せられることもあるとか。検疫カードにも食料品,植物製品,動物製品等の持ち込みについてのチェック項目があり、面倒くさがって適当に解答するとあとで入国の際にトラブルの元なので、持っている物は正直に申告しておく必要があります。(日本人の場合、特にみかん等の果物を持ったまま検疫カウンターに進んでしまう方も多いようです。)


 陽も西に傾き始めたpm.5:00頃、いよいよゲートイン、関空発クライストチャーチ行きのNZ航空98便に乗り込み、NZに向けて離陸!機体は上昇を続けやがて水平飛行高度に達するとシートベルトサインが消灯、それを合図にイス取りゲームさながらに(ちょっとオーバーですが)空席をめがけてダッシュ!今回はお陰様でほぼ一人で2席を確保でき、窮屈な思いをすることなく12時間の空の旅を快適に過ごすことができました。機内のサービスもとっても良く(なにせ海外が初めてなもので他と比較することはできませんが、NZ航空は乗客の満足度の非常に高い会社だそうです。後で話を聞くとどこに行っても今回のような快適な空の旅とはいかないようですね。)

 茜色から次第に漆黒へと色を変えてゆく水平線を窓の外に眺めながら、機内食をペロリとたいらげ、明日からのNZのトレッキングを夢に見ながら眠りに落ちて行くのでした。ZZZ・・・。

   
3月14日    
   まだ星も瞬く早朝、目覚めると時計の針はam.2:00、時差の分だけ時計を4時間進めるとam.6:00(NZと日本の時差は通常3時間ですが、10月第1日曜〜3月第3日曜はサマータイムのため、時差は4時間)すぐに朝食です。夕食同様においしくいただきました。

サザンアルプスの谷を
サザンアルプスの谷を
うめる雲海 (機窓より)

 やがて眼下の雲の切れ間からは陸らしきものも見え始め、只今北島の上空を通過中のようです。その内、南島最北端のフェアウェル岬の特徴的な細長い砂嘴(さし)が目に入ってきました。その後飛行機は西海岸をかすめるように進み、氷河を抱く山脈を越えて内陸部を横断して南島最大の都市クライストチャーチへと向かいます。

眼下に広がるクライストチャーチ
眼下に広がるクライストチャーチ
郊外の風景(機窓より)

 次第に平地が広がり始めた眼下には四角く区画整理された牧場が目立ち始め、米粒のようなヒツジやウシの群も見えるようになってきます。どんどん高度を下げてゆく機内ではあちこちでいそいそと身支度をする姿が、そうこうするうち「ドスン」と着陸。ちょっと小ぶりな空港ですが、これでも立派な国際空港で南島の空の玄関口。

 通関を済ませて荷物を受け取るといよいよ検疫カウンターへ。一人ずつ5列あるカウンターの空いた所へ進み、係員に検疫カードを渡してチェックを受けます。担当係員によってチェックの度合いがかなり違うようで、簡単なチェックで済む所もあれば荷物の隅々までチェックされるところもありで、通されたカウンター、チェックする係員によって明暗が分かれます。

 少し時間がかかりましたが、何とか全員無事に(係員の英語の質問に四苦八苦した方もいらっしゃったようですが…)ゲートの外へ。
 自動扉をぬけて空港ロビーへ出ると、今回のツアーで南島でのガイドをお願いしたクレイグ・マクラクラン氏がお出迎え!ガイドのクレイグは先日TBSの「世界ふしぎ発見」という番組でNZの特集がありましたが、その中で一行のガイドを務めた生粋の“キーウィ”(生粋のNZ人のこと)で、おまけに日本通!奥さんも日本人で、日本では97年日本百名山スピード登頂記録(当時)を始め、四国八十八カ所歩き遍路、徒歩での日本縦断・横断等々をこなす、ある意味では日本人よりも日本をよく知る人物で、NZきっての名ガイドなのです。

 クレイグとは昨年9月末、台風21号が猛威をふるう中、アルパインツアーサービスの説明会で来松して以来、半年ぶりの再会です。陽気なクレイグのお出迎えの後、専用車に荷物を積み込み、空港を出発。

 まずはクライストチャーチ市内をグルグル。英国風の街並みが広がる市街地を走ると、道路には日本車がよく目立ちます。NZには国産の自動車メーカーが無く、南島では新車ディーラーもほとんど無いので車を買う場合は、ほぼ輸入の中古車だということです。また日本で見慣れた信号もほとんど見あたらず、交通量の多い交差点は中心がサークル状のロータリー式が多く『Give a way』(道をゆずりましょう)という道路標示があちこちで見られます。日本だとこんな交差点があると、きっとクラクションと事故の嵐でしょう。美しくガーデニングが施された家々や中心部の大聖堂を回って車は郊外へ。

どこまでも続く田園風景
どこまでも続く田園風景

 東海岸を南北に走る国道1号線を南下し、ラカイヤ川を渡ってアシュバートンへ。車窓の風景は次第に田園へと変わり、ヒツジやウシの牧場と畑とが続きます。平地の広がるこの周辺は国内でも有数の農産地で、見渡す限り牧場と畑、道路の速度制限も郊外は100km/h、街が近づくと80,50と変わり、また街を抜けると50,80,100km/hといった感じで人家の無い所では松山道を走るような感じです。(交通量も同様)

 クライストチャーチを出発してアシュバートンを経てランギタタという町で79号線へ入り、ジェラルディンという小さな町で昼食タイム。最近できたばかりのカフェでサンドウィッチをつまみ、食事の後付近を散策。さっそく皆さん雑貨屋さんにてお買物。筆まめな方は絵はがきと切手を買って留守宅へのエアメールだそうです。

 NZの通貨はNZドルでアメリカと同じく100セント=1ドル。レートは1NZドルが80円ちょっと、但しお買物の際には12.5%の物品サービス税(GST)が課税されます。ほとんどの場合価格に含まれており、今回も別に課税されることはありませんでした。

 ジェラルディンでの休憩の後は観光名所ともなっている「善き羊飼いの教会」のあるテカポ湖へと移動です。フェアリーという町で79号線から8号線へと入り内陸部へと進むにしたがい平野部とは違った景観となってきました。イメージ的には「九重〜阿蘇と北海道を足して2で割ったような風景の奧に雪をかぶった北アルプスの山並みが広がる」といった感じ(伝わるかな?)。

氷河を冠した山並みが・・・
そろそろ奥の方に
氷河を冠した山並みが・・・
   バークスパス(峠)を越えてしばらく行くと目の前に大きな湖が!ジェラルディンから1時間少々でテカポ湖に到着、湖畔にて撮影タイム。教会をバックに皆さん記念撮影に夢中です。かたわらに咲いている赤紫色のマメ科らしき花をパチパチ撮っているとクレイグが一言「それは雑草ですよ」一同ガクッ。一般に知られているルピナス等の花も日本人には人気のようですが、NZ原生の花々はほとんどが白もしくは黄色で、それ以外の色の花は基本的に帰化植物だそうです。NZでは日本等と違い、花粉の受粉には蝶や蜂などの昆虫ではなく「蛾」が重要な働きをします。主に早朝や夕暮れ時など薄暗い時間帯に活動する蛾によく目立つように白や黄色の花色に進化していったと考えられているようです。

善き羊飼いの教会
テカポ湖畔に建つ
「善き羊飼いの教会」

 その後少し移動しトイレ休憩を済ませてマウントクックを目指して再び移動。8号線をしばらく進み、テカポ湖とその先のプカキ湖とを結ぶ水力発電用の水路(キャナル)沿いの道に入り、プカキ湖までショートカット。この水路ではサーモンの養殖が行われており(その養殖サーモンを道中何度かおいしくいただきました)そのサーモンのエサのおこぼれをねらって集まるマス(虹マス等)を釣る釣り客の姿も見られ、先日は15kgのマスが釣れたそうです。ただNZでは野生のマス釣りでは1人1日2尾までと決められており、またそのマスを商業利用(レストランの食材や加工品)することは原則禁止だそうで、天然資源の保護政策の徹底ぶりに驚かされます。

 発電所を過ぎて道が下り坂にかかると眼下にミルキーブルーの水をたたえるプカキ湖が見えてきました。NZでは水源の多くを氷河の雪解け水にたよる湖の場合、氷河が削り取った細かな土砂が水と混じり合い水の色が乳青色となりますが、水中の土砂は次第に堆積して下流に行くにしたがって普通の深い青へと変化するようです。

 ところで、大自然の中を走るNZの道路では車にひかれた動物によく出くわします。ほとんどがウサギとイタチ,ポッサムで、これら3種の動物はすべて人の手によって放たれたものでNZ原生の動物ではありませんでした。ウサギは最初に入植したイギリス人達が狩りの対象として持ち込み、もともと大型の肉食動物等天敵のいない大地ナ彼らは大繁殖!!土の中に穴を掘りまくるウサギに業を煮やした人間は、そのウサギの天敵であるイタチを放ち、その後ウサギの数は落ち着いたようですが、このイタチと、毛皮を目的にオーストラリアから持ち込まれたポッサムによって新たな問題が・・・。

 人間が入ってくるまでのNZは鳥の楽園だったそうで、今でも独自の進化をとげた鳥類の宝庫となっています。その中でも特徴的なのが“キィウィ”に代表される飛べない鳥たちで、他にも“タカヘ”や“ウェカ”などが知られています。イタチやポッサムはこれら飛べない鳥たちのヒナやタマゴをエサにしているらしく、今では環境保護省を中心にこれらの原生動植物を守るための様々な保護プログラムが進行中で、外来種に関しては積極的に駆除していこうという気運が高まっているそうです。ウソか本当か、クレイグ曰く「ウサギやイタチ,ポッサムがひかれているのを日本人が見つけると皆一同にカワイソー!と言うけど、NZの人達は喜んでひいていますよ。」 ま、生かすも殺すも人間の都合、地球にとって見れば人間が一番の「害虫」だとも思いますが・・・。

Mt.クック
プカキ湖に沿って走るR80より望む
湖越しのMt.クック

 と、そろそろ話を元に戻して、プカキ湖畔に出た後、一度8号線に出てマウントクックへ向かう80号線との分岐近くの展望所で一休み、奧へと広がるプカキ湖のそのまた奧には白銀に輝くアオラキ/マウントクックの姿が!NZの地名には先住民族マオリの名前が使われていることも多く、湖や川の名はほとんどマオリ語、一方山や街の名前は英語のようです。ただ英語名がついた山々にもマオリ名があり、マウントクックの場合だとマオリ名は「アオラキ」(雲を突き抜ける山の意味)、ニュージーランド自体も「アオテアロア」(細長く白い雲のたなびく国の意味)と言われるそうです。

 その後プカキ湖畔に沿って80号線を北上し、マウントクックとマウントセフトンの懐に抱かれた「マウントクック・ハーミテージ」へ到着。ここはマウントクック国立公園内唯一の宿泊施設で、ホテルの他、国立公園本部やビジターセンター、ODショップやモーテル等で一つの村のようになっています。その中でもハーミテージホテルは設備が充実した素晴らしい所で、私などは部屋に入っても逆に落ち着かないくらい。もともとここハーミテージはマウントクック周辺への登山者を対象として1884年に開業したそうですが、120年を経た今日ではあらゆるタイプの宿泊者に合わせ、全277室を有する複合宿泊施設として営業しています。ホテルの客室からは正面にフッカー谷をはさんでマウントクックとマウントセフトンの絶景が拝め、至福の一時が過ごせます。
朝焼けのMt.セフトンをバックに
朝焼けのMt.セフトンをバックに


 今回はここに2連泊。
 明日はいよいよトレッキングです!
 

 夕暮れ迫る中、紅く染まるマウントクックの頂を眺めながらのビュッフェスタイルの夕食をフルーツ,デザートまでおいしくいただき、今日一日をゆっくりと思い返しながら眠りにつきました、とはいかず、なかなか目が冴えて眠気がきません。

 TVをつけてもNHK BS(は映るんです)以外はすべて英語のためBGMにしかならないし、と気分転換に外へ出てみると空には満天の星空が!!目が慣れるにしたがって天の川やオリオン座が見えてきました。いかんせん見慣れない南天の星空は分かりませんが(今回星座盤を忘れました)それでも天の川の星の数にはビックリ。日本でも山中に入れば天の川が星の集合体であることは充分分かるのですが、ここの星空はその比ではありません。

 少し肌寒い夜空の下でスターウォッチングをひとしきり楽しみ、充足感に満たされながらNZ初日の夜は更けてゆきました。

暮れゆくフッカー谷
暮れゆくフッカー谷
(手前はハーミテージ)
 
       
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