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AM3:00フェリーが別府港に接岸、車に乗り込み九州上陸!。幸い雨は止んで路面も乾いています。まずは湯布院を目指して車を走らせます。途中コンビニで朝食&昼食の買出しを済ませ、由布岳のそばを通り過ぎると、眼下に湯布院の夜景、頭上には星空が広がり始めました。湯布院の道の駅で朝食と身支度を済ませ、水分トンネルを抜けてやまなみハイウェイに入る頃には空も次第にしらみ始め、左手に雲海に浮かんだ由布岳の右の肩からご来光が!思わぬ光景に歓声を上げながら、そんなこんなで登山口の長者原に到着。九重連山の上空には抜けるような青空が広がり、硫黄山の白い噴煙が良く映えています。靴を履き替えザックを背負って、いよいよ1泊2日の山旅の始まりです。
まずは、湿地帯の中に伸びる木道を抜けて、雨ヶ池を目指して三俣山の北麓に広がる樹林帯に入ります。昨日の雨で、より一層瑞々しさを増した新緑の落葉高木の林に朝日が差し込み、木漏れ日となって頭上から降り注ぎます。暫く広く緩やかだった道も、ベンチの置かれた九州自然歩道の説明板を過ぎると次第に傾斜を増して、土石流によって大きくえぐられた涸れ沢を越えるとひと登りで、長者原を眼下に見下ろす雨ヶ池越へ。
潅木の間を抜けて岩を乗り越えると、突然前方が開けて雨ヶ池に到着です。まとまった降雨の後にだけ姿を現す池が、今回はわれわれを歓迎するかのようにしっかりと水を湛え、その水面に新緑の山肌を映しこんでいます。ここでザックを降ろししばし休憩。雨ヶ池周辺は花の多いところで、今回もクサボケ・イワカガミ・マイヅルソウ・コケモモ等の花が見られましたが、肝心のミヤマキリシマは僅かに花を付けた株がある程度で、どの株も残念ながら『満開!!』というには程遠い状況です。チョッピリ残念ですがでもまあ、美しい新緑の山群と青空に気を取り直して、坊ガツル目指して出発です。
雨ヶ池から、道は一旦樹林帯の下りとなりますが、足元は火山灰が風化した黒土で、これがまたよくスベルことスベルこと!何度も足元を掬われそうになるのを我慢して、背丈ほどのアセビが多くなってくると、山中にポッカリと開けた高層湿原の「坊ガツル」が見えてきます。登山道から一旦大船林道に下りて暫くこの林道を歩き、左手の大きな表示板から道を分けて鳴子川沿いに進み、橋を2本渡ると炊事棟やトイレのある坊ガツルのキャンプ場に到着。
トイレとエネルギー補給を済ませたら先ずはここから平治岳と大船山の鞍部「大戸越」を目指します。
キャンプ場の奥に建つ避難小屋の前を過ぎるとすぐに右手の段原への分岐を見送り、登山道は樹林帯の中に吸い込まれていきます。右に左にクネクネと蛇行しながら延びる道とも川とも付かないような登山道は、踏み跡が錯綜し注意が必要ですが、所々にテープもあり奥に行けば行くほど次第に明確になってきます。道幅がだんだんと狭まり段差も大きくなってくると、坊ガツルから45分程で大戸越に到着です。
花付きの良い年には、ここから見上げた平治岳の南斜面がピンクの絨毯を敷き詰めたようにミヤマキリシマに染め上げられるのですが、残念ながら今年は法華院山荘の情報(今年の花付きは、春の嵐と虫害の為ここ50年程の内でも1,2を争う悪さということでした。)通り、あまり花付きは良くないようです。
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今回はここにザックをデポ(置いて)して、平治岳を往復する事にしました。取り付きから登山道は一方通行となっており、「登り専用」と書かれた標識に従ってミヤマキリシマの群落の中を縫うように進みます。
足元は次第に険しくなり、ロープの懸かった岩場を越えてしばらく登ると、急にまわりの花の密度が濃くなり、程なく平治南峰に到着。少ないながらも山頂を彩る鮮やかな花はやはり見事で、眼下に広がる坊ガツルを挟んで対峙する三俣山や大船山の山容と相まって、やはり絵になる風景です。
本来、平治岳は双耳峰となっており、南峰のさらに奥の1643m峰が本峰ですが、先の行程のこともあり今回は南峰までとしました。
ひとしきり花と展望を楽しんだら、ピンクに染まった山頂を後にして、今度は「下り専用」の標識に従い、こちらも釣瓶落としの急坂を足元に注意しながら慎重に下ります。山頂から15分ほどで次第に傾斜も緩やかになり一旦大戸越に、ここから再びザックを背負い今度は北大船に向かって正面の斜面を登り返します。最初は緩やかな樹林の道がすぐにセリ割りのような涸れ沢の登りとなり、再び緩やかな樹林の中を過ぎると展望の利くザレ場に出ます。後ろを振り返ると先ほど登った平治岳が指呼の間に。小休止の後、ひと登りで北大船に続く稜線の末端に。この辺りは近年、虫害で立ち枯れたミヤマキリシマが特に目立っていましたが、今年はその多くに新芽の芽吹きが見られ、あと何年かすると再び昔の見事な光景が復活するかもしれません。
目の前に広がるミヤマキリシマの群落の中を縫うように進み、北大船を越えて段原にて昼食としました。北の空には次第に雲が広がっては来たもののまだまだ日差しを遮るほどではなく、心地よい風が吹きぬける中、美味しいおにぎりを頬張りました。
昼食後、段原から大船山を往復します。しばらくは水平道を進み、やがて岩混じりの急坂になりますが、長くは続きません。20分ほどの登りで本日の最高峰、大船山の山頂に到着。北に平治岳、東に黒岳とその左奥には由布岳の双耳峰が。西に目をやると、坊ガツルを挟んで三俣山、そこから左手に硫黄・星生・天狗ヶ城・中岳・久住山・白口・稲星の久住連山、奥には阿蘇の寝仏や祖母・傾山系と、360度視界を遮るものの無い大展望が広がります。
山頂からの絶景を堪能して一旦段原まで戻り、再びザックを背負いなおして坊ガツルまで一気に下ります。所々ザレた足元に注意しながら、ひたすら下り続けること約1時間で、ふいに見覚えのある標識が目の前に。坊ガツルの西端の分岐まで下り切ると、あとはテント場をぬけて木道を通り、大船林道を法華院温泉山荘へ。その昔、法華院白水寺を中心に宿坊が建ち、修行僧が修法に励んでいたといわれる法華院山荘は現在では登山者の憩いの場となっています。
宿泊の受付を済ませ、早速お目当ての温泉へ。昨年移築改装されたお風呂は、湯の花漂う掛け流しの温泉で、このお湯目当ての登山者もいるくらいの人気のいで湯です。山中につき当然石鹸類はご法度ですが、1日の疲れを癒すにはこれ以上の贅沢はありません。法華院山荘では、荷揚げも車で行っているため、食事も豪華で美味しくいただけました。
雨覚悟の初日でしたが、思わぬ好天に恵まれ皆さんとっても満足そう。丸い月が顔を出し、何処からか「坊ガツル賛歌」の歌声も聞こえる中、山中の一夜はゆっくりと更けてゆきました。
次号に続く |