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PAL TREK 2002 燕岳〜常念岳縦走ツアーレポート
2002年7月

 今年も、去る7月17日の夜から、北アルプスの縦走ツアーに出かけて参りました。今回のコースは、燕岳〜常念岳への縦走です。アルプス入門者向きの展望抜群のコースで、稜線上からの大迫力の槍・穂高のパノラマ魅力の人気コースです。

燕山荘から燕岳へと向かう一行
燕山荘から燕岳へと向かう一行
稜線にガス湧く燕山荘
稜線にガス湧く燕山荘
 さて、出発前には台風の動きにヤキモキさせられたものの、なんとかやり過ごし17日の夜、松山を出発。車中泊の後、18日の朝、現地ガイドの赤沼さんを乗せて、一路登山口の中房温泉へ。この時期、松本や穂高では中学校の集団登山が行われていて、今回も我々の前を150名程の中学生の一団が賑やかに登っていきました。我々も装備をチェックして、2泊3日の山旅へと出発です。ガイドの赤沼さんに先導されて、登山口よりいきなりの急登が始まります。心配していた天候もなんとか持ち直した様子で、青空も顔をのぞかせています。息が上がらない程度のゆっくりとしたペースで40分程登ると、水場のある第1ベンチに到着。先を行く中学生御一行様がちょうど出発するところで。入れ替わって我々が休憩です。アルプス三大急登などと言われるこの合戦尾根の登りですが、確かに急登ではありますが、要所要所にベンチが置かれ、時間をかけてゆっくり登ればそれほど恐れることはないと思います。

 うっそうとした樹林の中をゆっくりとペース配分に気を配りながら登り続けると、あれほど遠かった稜線が次第に近づき、ガヤガヤとざわめきが聞こえてくると、いきなり合戦小屋に到着。名物の冷えたスイカがお待ちかねです。各自食前のデザートをたいらげ、ここで昼食。ここまで登れば稜線まではあと少し。もうひと登りで表銀座の大パノラマが眼前に・・・。

 合戦小屋にてスイカと昼食をたいらげたら、いよいよ出発。一泊目の山小屋、稜線上の「燕山荘」へ向けて最後のひとふんばり、次第に樹木がまばらになると、ハクサンイチゲ、シナノキバイ、ミヤマキンポウゲ、コバイケイソウ等々の咲き競う定番のお花畑も姿を見せ始めます。

 足元の悪い岩場をトラバース気味に登り切ると、稜線から東に派生する合戦尾根の末端の「合戦沢の頭」に到着。ここまで登ると稜線越しに槍や大天井、燕岳等が見えるはずが、稜線はガスの中・・・。かろうじて燕山荘が見え隠れしています。夕方の好天を期待しながら、三十分、やっと燕山荘に到着しました。

燕岳メガネ岩にて
燕岳メガネ岩にて
2日目雨の中、出発前の燕山荘前にて
2日目雨の中、出発前の燕山荘前にて
 燕岳への稜線には信濃側からガスが沸き立ち、まるでどこかで見たポスターのような風景です。しばらく見とれていたかったのですが、まずは宿泊の受付を済ませて再度外に目をやると、既に燕岳はガスの中へ。ガックリしながらひとまず荷を下ろして一息ついた後、燕岳まで散策に向かいます。花崗岩の白い砂礫とハイマツの緑が織りなす独特の景観を楽しみながら三十分ほどで燕岳の山頂に到着。相変わらず槍は黒い雲に覆われていますが、燕周辺は所々晴れ間も広がり気分も爽快。

 更に燕岳を越えて北燕岳との鞍部まで下ると、白い砂の斜面をピンクに染める高山植物の女王「コマクサ」の登場です。

 北アルプスの魅力に酔いしれたひとときを過ごして燕山荘へと帰ると一日目の生ビールタイムの幕開けです。飲めない八木を尻目に皆さん山上ビアガーデンを満喫して夕食までのひとときを過ごされました。

 夕食後には燕山荘オーナー(こちらも赤沼さん、ガイドの赤沼さんとは山を下りればお隣さんだとか)による楽しいお話しと、アルペンホルンの演奏会を楽しむ方、心地よい疲労感に包まれて既に高いびきの方、それぞれにアルプスの山小屋での一夜を楽しみながら、夜は更けていきます。

 一夜明けて七月十九日、午前四時三十分起床。朝食、準備を済ませて午前六時出発、という予定でしたが、天候は前夜半から風雨ともに強く梅雨前線が北上中のため、急激な天候の回復は望めないものの、一応出発を一時間遅らせて午前七時風雨の中を出発。

 天候が良ければ槍穂の展望が最高!の縦走路を時折吹き付ける突風にあおられながらひとまず大天井を目指して進みます。「蛙(ゲーロ)岩」を通りゆるやかな上り下りをくり返すと次は「大下り」がガレた急坂を一気に鞍部へと下ります。

 縦走路は稜線をぬって続いており、(風表の西斜面は不毛地帯、うって変わって風裏の東斜面は様々な夏の花々が咲き競う別天地。)路が風裏の信濃側に入るとウソのように風が止み、また風表に出ると顔に当たる雨粒がイタイほど、幸い雨足はそれほど強くないのがせめてもの救いです。

 大下りの鞍部からは再び大天井岳に向かってゆるやかに登り返し、コース中唯一の難所(というほどでもないかな)である切り通し岩を過ぎると前半戦最後の登りが始まります。途中ライチョウ親子の登場にホット一息。

3日間で唯一姿を見せた槍ヶ岳
3日間で唯一姿を見せた槍ヶ岳
 五十分ほど我慢して登り詰めると、本コースの最高地点である二千九百二十二メートルの大天井岳の直下に立つ大天荘に到着。相変わらずの風雨の中、とりあえず荷物を小屋前にデポして大天井岳山頂へ。岩がゴロゴロした斜面を抜けてひと登りで山頂に到達、しかしというかやっぱりというか展望はゼロ。大迫力の槍ケ岳の勇姿は残念ながらお預けです。

 なんとか写真だけでもと記念撮影を撮り終えて、小屋へ戻り昼食を取りました。ガイドの赤沼さんの口利きで小屋の中で休憩させていただけるということで、冷えた体をストーブで暖めながらゆっくりと一時間近く休憩することができ、ホッと一息つけました。

 この先はゆるやかな稜線を横通岳まで歩き、そこから常念小屋の建つ常念乗越まで三百メートルの一気下りとなりますが、急登がない分皆の顔にも安堵の色が浮かびます。

常念岳中腹から見下ろす常念小屋
常念岳中腹から見下ろす常念小屋
 さて休憩も終え、気合いを入れ直して後半戦がスタート。午前中同様、時折吹き付ける突風にあおられながら(特に横通岳付近の風の強烈だったこと)なんとか横通岳まで来ると、正面にガスをかぶった常念岳、眼下には常念小屋の赤い屋根が見え始めました。乗越まで一気に下り、やっとこさ常念小屋に到着。

 ここでも赤沼さんは「顔」らしく、小屋の方々にもいろいろと気を配って頂けました。(さすがは有明の名ガイド!)部屋の方も男性部屋、女性部屋ともにゆったりと寝れるだけの広さがあり大満足。しかしこの天候で乾燥室だけは満員御礼状態。混み合った小屋内では故意ではないにせよ、物がなくなったりすることもあるのでいろいろと工夫やしっかりした自身での管理が必要です。

 小屋に到着して一息つくと、夕食前のお待ちかねのビアタイム!外では時折薄日も差し始めたようで、明日の青空を期待しつつ各人思い思いに山の夕暮れを過ごし就寝。

 三日目、午前四時三十分起床。天候が回復していれば朝食前に常念岳をピストンの予定でしたが、あいにく常念山頂付近はいまだガスの中。ということで常念岳へは空模様を見ながら朝食後ということにしてとりあえず朝の散策。と言っても相変わらずの強風で、風をまともに受ける所ではまっすぐ立っているのがやっと、てな具合。でも東の空では朝日も望め、上空では黒い雲が残るものの切れ間も見られ始めました。

 と、「出発!」の号令がかかり急いで全員をかき集め、赤沼さんの判断で午前六時、常念岳へ向けて出発。小屋前から登るほどにきつくなるジグザグの登山道をひたすら登り、前常念への分岐を過ぎて、大きな岩の間を縫うように抜けると小一時間で百名山常念岳山頂。正面の穂高はやっぱりガスの中。しかし時折蝶ケ岳や穂高屏風岩の大岸壁が姿をのぞかせるようになりました。いずれ再びここからの槍・穂の勇姿を目にすることを心に誓い、小屋へと下りました。

常念小屋にて
常念小屋にて
 小屋に戻って遅い朝食を済ませて荷物をまとめ、名残を惜しみながらいよいよ下山です。小屋前で、常念小屋のご主人を交えて記念撮影(カメラマンは偶然居合わせた「コンタツおじさん」こと山岳カメラマンの近藤辰郎さんにお願いしました。)をして午前九時出発。すぐに樹林帯に入り、つづら折れの急坂を下り、沢を渡ると胸突八丁の大下り、登りの人々との離合に難渋しながら注意して下り続けると道は次第にゆるやかになり、やがて山の神を祀る古い祠の脇を過ぎるとヒエ平に到着。天候に悩まされ続けた長いようでやっぱり短かった三日間の山旅が終わりを告げました。

PS.今回ご参加いただいた皆様、青空の下、槍・穂の大展望を楽しみながら、いつの日か再びあの路をたどりましょう。

・・・担当:八木・・・
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