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白馬岳 |
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2000年8月 VOL.12 |

[小谷村「くらうど」にて] |

[白馬大雪渓取付きにて] |

[葱平より大雪渓を望む] |
今年でPALトレッキングも5シーズン目を迎えました。そこで今シーズンからは、前々からご要望の高かった北アルプスへの山行を企画してみました。目的地は夏のアルプス入門コースとして人気の高い白馬岳。猿倉から入山して白馬山荘で1泊し、栂池へと入る花に彩られた稜線歩きが楽しめる1月2日の山旅です。
まずは前日1日バスを走らせ、栂池のふもと小谷村にて1泊。翌朝、2日間の山旅への期待と不安に胸を膨らませ、宿を出発、一路登山口の猿倉へと向かいます。バスを走らせること30分ほどで、白馬三山の登山基地猿倉に到着。猿倉荘に登山届けを提出し、トイレと準備運動を済ませて、いざ1泊2日の白馬岳縦走へと出発です。
猿倉荘の脇を抜け、ブナやミズナラの林中を5分ほど登ると林道に出ます。鑓温泉への分岐を左手にしばらく進むと、眼前に小蓮華の稜線が姿を現す・・・はずですが、あいにくと稜線はガスの中、ちょっぴり残念がりながら、それでも夏でも雪渓を残す見慣れない景色に目を奪われながらのんびりと歩き続けること1時間半程で大雪渓への取付・白馬尻へと到着。今年は雪が多かったせいか、すぐ目前まで雪渓が迫っています。
小休止を取り、アイゼンを準備して、いよいよ本日のメインイベント「大雪渓」へと取り付きます。全長3000m,標高差600mの巨大な雪の固まりの上を、アイゼンの爪をしっかりかませてゆっくりと進みます。雪渓脇の斜面では、シラネアオイやオオサクラソウが可憐な花を付けています。時折現れるガスに上下の視界を遮られながらも、2時間半程で大雪渓が終わり、葱平に到着。ジグザグに高度をかせぐ登山道の両脇では、クルマユリ,ハクサンフロ,テガタチドリ等、書ききれない程の花々が短い夏を満喫するかのように咲き乱れています。
葱平にて昼食を取り、ひとしきり花を楽しみ、小雪渓をトラバースして、稜線まであと一息という所で、にわかに雲行きが怪しくなってきました。白馬岳のむこうからはゴロゴロと雷の音が・・・。そしてポツポツ・ポツ・ザーッと雨も本降りに。雷が鳴るたびに首をすくめながら、見所の頂上直下のお花畑を素通りして、村営頂上へと一時避難。天候が回復しなければ白馬山荘をキャンセルして頂上宿舎への宿泊も考えましたが、そこはそれ、日頃の行いがよいメンバーばかりなので、1時間も待つとすっかり雨も上がり、雲も切れてきました。雷雲の去った稜線を最後の一登りで白馬山荘に到着です。
受付を済ませ部屋でくつろいでいると、「夕焼けが出てる」の声が。ゾロゾロと表に出ると、雲の切れ間から西日が差し、眼下の日本海には光々しい太陽が映り込んでいます。次第に色を変える空と雲と山々に心を奪われながら、時が経つのも忘れてしばしたたずむ我々を現実に引き戻す声が「緑色の食券をお持ちの方は7:15より夕食の時間となりますので食堂の方へ・・・。」。放送の声に我に返り、ふと足元を見ると、山荘のスリッパのままで頂上まで来てしまっていました。
その後頂上を後にしたスリッパ登山隊の一行は夕食を取り、今日一日の山の恵みに感謝しながら、早々と心地よい眠りにつきました。

[御来光] |

[ブロッケン現象] |
8月3日、早立ちする人達の身支度を整える音を目覚まし代わりに、4時過ぎに起床。まだ夢の中の人を起こさぬように忍び足で小屋の外へ出ると、天頂付近にはまだ土星や木星が輝いていますが、東の空はうっすらと白み始めています。
小屋に戻り、皆さんを起こして、朝飯前の御来光見物に出かけます。本館の脇を通り抜けて、御来光ポイントへ登ると、快晴の暁に染まる空をバックに、山々のシルエットが浮かび上がります。AM5:00足元に雲海を従えた山並みから朝日が顔をのぞかせると、明るくなるに従って、それまでシルエットだけだった南アルプスや八ヶ岳,富士山などの山々がくっきりと姿を現します。

[雷鳥坂のハイマツ帯の中を白馬大池へと下る] |

[静かな水面に雪形を映す白馬大池] |
ひとしきり早朝のイベントを堪能したら、小屋に戻って朝食を取り、二日目の行動開始、まずは白馬岳の山頂へと向かいます。先程まであれほど澄み切っていた青空はどこへやら、信州側よりガスが吹き上げ、白馬岳2932mの頂はまっ白け。記念写真を取り終えて、名残を惜しみながら山頂を後にしました。
下り始めてしばらくはガスが晴れたりかかったりしながらやせた岩稜の馬の背を下ります。左手に旭日岳、後方には雲上に浮かぶ剣岳を見やりながら、足元の悪い岩場が続きます。道すがら、脇の至る所に咲く色とりどりの花や、ガスが吹きあると現れるブロッケン現象等に目を奪われながら、次第に高度を下げていきます。途中、可憐な花を付けた「コマクサ」を見つけ小休止していると、ハイマツの脇から雷鳥親子が現れました。登山者の騒ぎをよそに、ピョコピョコと動き回るヒナを従えた朝のお散歩タイムのようです。
三国峠を過ぎると、小蓮華までは快適な稜線歩きが続きます。次第に雲が厚くなり、ガスも濃くなり、残念ながら眺望は利きませんが、それでも時折突風にあおられたガスがとぎれると、美しい山並みが顔をのぞかせます。小蓮華からはゆるやかなハイマツ帯の中を白馬大池へと下ります。雷鳥坂にさしかかると、眼下に雪渓を従えた白馬大池の姿が次第に大きくなってきます。池の脇ではイナイチョウやハクサンコザクラの群落が短い夏を惜しむように咲き誇っています。
白馬大池にて昼食を取り、再び歩き始めます。大池の北側を回り込むように付けられた道を進み、白馬乗鞍へと向かうゴロゴロとした岩の上を、右へ左へと渡りながら登り返します。ハイマツ帯の中を登りながら後ろを振り返ると、水面に雪渓の雪形を映す大池の姿が見事です。途中、ちょっと広くなった所で小休止をしていると、本日3度目の雷鳥親子の登場です。ここぞとばかりにシャッターを切って先を急ぎます。乗鞍の大きなケルンを後にすると、天狗原への下りにさしかかります。今年は雪が多く、雪渓に難儀しながら慎重に下ると、眼下の樹林の中にくねくねと木道の走る天狗原が近づいてきます。
歩き慣れた稜線歩きから樹林帯に入ると、いろいろこのトレッキングもエンディングを迎えます。次第にブナやダケカンバの大木を見るようになると、ひと歩きで栂池へと到着。2日間の北アルプスの山歩きを思いっきり楽しんで、栂池からはロープウェイとゴンドラを乗り継いで一気に下界へ。
大雪渓、お花畑、雷雨、夕景、御来光、雷鳥、etc・・・。正に夏山の魅力をギュッと濃縮した、密度の濃い2日間でした。さて、来年はどこに行こうかな。

[夜露をまとった高山植物の女王「コマクサ」] |

[夏のアルプスでよく目にするイワギキョウとチシマギキョウ。花冠のふちに毛があるのでこれは「チシマギキョウ」] |
・・・担当:八木・・・ |
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